パウロ・コエーリョの作品は、書店において当然海外作品の棚にあるが、同時に精神世界の本のコーナーにあったりもする。コエーリョ作品は、そういうポジショニングの作品なのである。こういった本、メッセージ性が強いだけに書評・紹介が難しい。
ちょっと前のことだが、堀和世さんから『アルケミスト』の書評を、単発用の原稿としていただいた。実に見事な原稿であった。実際に本を読み、堀さんの書評になるほどと頷かされた。その後すぐ『ポルトベーロの魔女』が新刊として書店の平台に並んだので、改めて堀さんに特集として依頼させていただき、こうして3作品の特集としてアップできたという次第である。
パウロ・コエーリョは『アルケミスト』の大成功によって、世界中で読まれている作家の仲間入りをした、ブラジルの作家だ。『アルケミスト』はファンタジーの世界であり、『ベロニカは死ぬことにした』『ポルトベーロの魔女』は現代社会の物語設定だが、それらの作品からは常に、この生きづらい社会において、いかに生きるべきかのメッセージが強く放出され続けている。実際に読んでいただければ、きっと触発されるなにかを得られると思う。
まずは、堀和世さんによる3作品の書評をじっくりとお楽しみください。