ハーモニー
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著
伊藤計劃
早川書房
/ハヤカワ文庫
[小説]
[SF・ホラー]
国内
2010.12 版型:文庫 ISBN:415031019X
価格:756円(税込)
21世紀後半、「大災禍」と呼ばれる世界的な混乱を経て、人類は大規模な福祉厚生社会を築きあげていた。医療分子の発達で病気がほぼ放逐され、見せかけの優しさや倫理が横溢する“ユートピア”。そんな社会に倦んだ3人の少女は餓死することを選択した―それから13年。死ねなかった少女・霧慧トァンは、世界を襲う大混乱の陰にただひとり死んだはずの少女の影を見る―『虐殺器官』の著者が描く、ユートピアの臨界点。第30回日本SF大賞受賞、「ベスト SF2009」第1位、第40回星雲賞日本長編部門受賞作。
おすすめ本書評
- 『ハーモニー』伊藤計劃
★健全育成条例と『ハーモニー』
本書はハードカバーで発売されたのが2008年、文庫で出たのがつい昨年の2010年12月で、パリパリの新刊であるにも関わらず、私が手に取った文庫本はもう三刷を数えておりました。まさに飛ぶ鳥を落とす勢いで売れている、今もっとも旬なベストセラーです。
なんだ、それじゃお前ごときが紹介する必要ないだろ、と思う方も多いかもしれません。けれども、ここで私がご紹介しておきたいと思ったのには理由があります。というのも本書はSF小説として書かれているにも関わらず(というかその故にこそ)、現代社会の抱えるさまざまな問題が、ノンフィクション以上に深く抉りだされているからです。
樋口ヒロユキ
2011/01/28掲載
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