2008年1月23日
今回の素敵な読書カフェめぐりは青山・表参道編の3回目として、今回は青山で歴史を積み重ねてきた名店をご紹介します。読書をするなら、街の喧噪を離れて本の世界に没頭したいもの…。落ち着いた雰囲気の中で本と美味しいコーヒーを手にほっと一息つけるお店、そんな時間を過ごせるのが「大坊(だいぼう)珈琲店」です。表参道駅のすぐ近くにありながら、店内に一歩入ればゆっくりと流れる時間。それは、1975年の開店から変わらずにコーヒーを煎れ、多くの人々に愛されてきたからなのかも知れません。村上春樹や向田邦子などの著名人も好んだコーヒーを飲みながら、ゆったりとした気持ちで読書を楽しんでいただけます。
銀座線・千代田線表参道駅A4出口を出て青山通りへ。外苑前方面に向かって歩けば、すぐに木製の看板が出ています。1階はラーメン店で、一見すると事務所などが入っているような建物。入って2階の扉を開けば、そこにはノスタルジックな雰囲気が漂っており、時の流れが止まったかのよう。店内はダークブラウンで統一された調度品が暖かい電球の光に照らされて、どっしりとした古木のカウンターや、使い込まれた木製の椅子とテーブルが存在感を放っています。表参道駅のすぐそばに、こんなに落ち着いたお店があるとは意外ではないでしょうか?
席数はカウンター席とテーブル席で20席ほど。頭上には書棚があり、司馬遼太郎や池波正太郎の歴史・時代小説をはじめ、海外のハードボイルド小説などが並びます。もちろん、手に取っても大丈夫。BGMはご主人の好みでジャズがゆったりと流れており、読書にはまさにうってつけです。
読書のお供をするドリンクは何と言ってもコーヒー。豆の選定から焙煎、焼きムラの選別をしてドリップと、美味しいコーヒーを煎れるために30年以上続けているその味は格別の一言。ブレンドは、カップテストをした後にその日の気候などに合わせて作られます。また珍しいのは、そのブレンドの場合に豆の分量と水量の割合が異なる5種類から選べるところ。まずはベーシックな20g/100cc(3番)からお試しあれ。
その自慢のコーヒーの味を引き立てるカップは、全てがその白さと滑らかさで有名な大倉陶園製。他には、カフェオレボールで味わうミルクコーヒーも好評です。
オンリーワンのフードメニューは「竹さんのチーズケーキ」。これは以前に働いていた方が作ったケーキをお店に置くようになったことが始まりとか。辞められた後もチーズケーキを作ってもらい、お店のメニューに載せ続けているそうです。濃厚な味わいがコーヒーと相性抜群なので、ぜひ注文してみてください。
新しさや華やかなお店に目が行きがちな青山・表参道。そんな表参道駅からすぐの場所で、長い年月続いてきた熟練の味を楽しみながら読書タイム。青山・表参道にショッピングに来た時に寄る以外にも、銀座線や千代田線で表参道駅を通る時にちょっと途中下車。そんな形で訪れるのもいいでしょう。少しの時間、現実から離れて大坊珈琲店で本とコーヒーを楽しんでみてはいかがでしょうか。
それでは、ぜひ素敵な読書カフェの午後をお過ごしください。次回も青山・表参道のカフェをご紹介しますのでお楽しみに!
「渋谷周辺で店を出す場所を探していて、ここ青山に決めたんです。今は当時とずいぶんと街の雰囲気が変わってきましたね。店内の調度品は使い続けて味が出る、そういった物をそろえて開店当時から使い続けています。肩の力を抜いて静かな時間の中でコーヒーを楽しんでもらいたいです」とご主人の大坊さん。愛読書を伺ったところ、ノーベル文学賞候補にもなった西脇順三郎の長編詩「旅人かへらず」だそうです。
女性中心の喫茶店が多い中、男性にも楽しんでもらえるように集めた本は歴史・時代小説や海外のハードボイルド小説中心。他にも60年代後半から70年代に絶大な人気を誇った季刊誌「男の雑誌NOW」やサントリーの豆本など貴重な本も。
コーヒー豆も販売(100g/800円)。常連には嬉しい11枚綴りのコーヒー券(6.000円)もある。
港区南青山3-13-20 2F
tel.03-3403-7155
Mon.-Sut.
Open9:00am-22:00pm Sun&Holidays Open12:00pm~20:00pm 定休日:無休(年末年始を除く)
●オススメメニュー
ブレンドコーヒー …600円(20g.100cc)・650円(25g.100cc) /ミルクコーヒー …750円 /竹さんのチーズケーキ…450円
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