書評の楽しみを考える Book Japan

今回オススメする読書カフェも「恵比寿」から。前回はカジュアルなお店「DexeeDiner（恵比寿店）」をご紹介しました。今回は少し趣向を変えて、グッと大人の雰囲気が漂う落ち着いたカフェ「anotherDoor」をご紹介します。読書をするための特別なお店や隠れ家をお探しの方、これはもう必見です。

JR恵比寿駅から渋谷方面を目指して駒沢通りを渡ります。京樽、携帯電話ショップの間の道を進み、五叉路を過ぎると増えてくる細い路地。ここら辺は下記の地図を見ていただくとして、2階に木枠のかわいらしい窓を探してください。看板は出ていないので通り過ぎないようにご注意を。建物脇の階段をあがれば、木製の扉が迎えてくれます。そこに4名様以上のご入店をお断りする案内が。これだけでも期待が高まりませんか？

お店に入っても席への案内などはありません。自分好みのイスを選んで座りましょう。カウンター席もありますが、なんと言っても心惹かれるのが、足を乗せるオットマンが付いたソファ席。ゆったり足を延ばしての読書は、自分の家より落ち着けるかも知れないほど。これ、他のカフェにはないインテリアです。他には、使い込まれた革張りのソファ、書斎風の本棚やデスクに囲まれた席も魅力的。窓際で涼やかな風を感じながらというのも良いですね。

席につけば、奥から店主がスーッとメニューを持ってきてくれます。香り高いエスプレッソ、3層に重なったアイスカフェマキアートやきめ細やかなフォームドミルクなど、その日の気分やお供の本に合わせて選んでみてはいかがでしょう。休日の読書タイムとして訪れたなら、ワインと赤・白それぞれに合わせて作った2種類の絶品チーズケーキをぜひ一度お試しあれ。

周囲を見渡せば、北欧風のユーズド家具や70年代アメリカン・アンティーク雑貨など、年代や国籍を問わず古く温かい物たちが特別な空間を創っています。販売もしているので、気に入ったらその場での購入もOK。店内のBGMはささやかに流れる程度。晴れやかな午後、涼やかな風の日、しっとりと雨降る1日…。その日の天気に合わせて店主がクラシックやジャズなどからセレクトしているそうです。その日その日で極上の時間が流れる、日常と切り離された特別な空間。その中で好きな読書でゆるりとくつろぐ贅沢を提供してくれるお店「anotherDoor」。ぜひ素敵な読書カフェの午後をお過ごしください。次回も、また恵比寿のお店をご紹介しますので、お楽しみに！

「anotherDoor」店主の平塚さん。 「この空間を気に入ってくださったお客様に、それぞれの時間を楽しんでもらうため、細々とお世話するのではなく、あえて放っておくというのがサービスだと思っています。空間提供が私の仕事です。一度お越しいただきたいのは雨の日ですね。現実と切り離された特別な時間・空間を感じていただくには一番なんです。」ちなみに、山岸さんはモノクロームな風景が独特の雰囲気を生み出している英国の写真家「マイケル・ケンナ」の写真集がお好きだそうです。

温かい光溢れる店内。天井は倉庫のよう。