書評の楽しみを考える Book Japan

 
 
 
トップページ > 連載企画 > 堀和世 書評&エッセイ おれ、今日は(も!)長いよ > 巡礼

阿修羅

いろんな命が私の中には生きている
では、なぜ私は一人しかいないのか

玄侑宗久
講談社小説] 国内
2009.10  版型:B6
>>書籍情報のページへ
レビュワー/堀和世

今回紹介する玄侑宗久の新作『阿修羅』の中で、主人公の精神科医・杉本に、臨床心理士を目指す彼の一人娘・沙也佳がボーイフレンドの存在をほのめかしながら、相談するシーンがある。出会う相手が誰によるかで「自分」などどう変わってしまうか分からない。話し方、考え方、立ち居振る舞い……あやふやな、よりどころのなさを自分自身に感じてしまう。そういう疑問に、杉本医師はこう答える。
〈相手によって、引き出される自分は変わってくるだろう。だから、その人の前で自然に引き出される自分が気に入ると、その人が好き、ということになるんじゃないか〉

「まるで自己愛の変形みたい」と反応する娘に、父親は「恋愛は、あらかた自己愛の変形だよ」と言い切って彼女を半ば白けさせるのだが、ここには大事な視点が二つある。(1)自分とは、さらに細切れにできるいくつかの自分から成っていること、(2)人間は自分を他者の目に映し出すことによって、自分自身を理解していること――である。

(1)については後で触れるが、なるほど人間は独りでは自分自身を知ることさえできないのだ。本に書かれた他者の言葉を、私たちは自分のつぶやきとして理解する。また逆に、私たちは他者と出会うことによってしか、私たち自身に出会うことはできない。それならば、自分と他者の違いはどこにあるのか。自分とは一体、何なのか。

さて、説明が前後したが、この小説『阿修羅』は解離性同一性障害、いわゆる「多重人格」に真正面から向き合った作品である。27歳の主婦・田中実佐子は杉本医師のクリニックに通う患者だ。実佐子の体には同居人がいて、時折、実佐子の意識を押しのけて立ち現れる。その間の記憶は実佐子には残らない。実佐子は牛乳が苦手だが同居人は好きらしく、スーパーで買い物をしているときに現れ、実佐子は気がつくと、買い物かごに牛乳パックを入れてレジに並んでいる。仕方なく家の冷蔵庫にしまっておくと、いつの間にか誰か、つまり同居人が勝手に飲んでいる。そして、実佐子は腹をこわす。

同居人は二人いて、一人は友美、もう一人の名前は絵里。つまり「三重人格」ということになる。実佐子はまじめを絵に描いたような性格だが、友美は派手で刹那的な生き方を好む。また、絵里は円満でバランスのとれた、人を引きつける魅力を持っている。専門用語では、実佐子が「主人格」、友美と絵里を「交代人格」という。

解離とは、意識や記憶などが「自分」から切り離されてしまう現象のことで、杉本医師の言葉を借りれば「ある意味では我々の日常にもけっこうある」という。例えば、映画館でスクリーンに没頭し、登場人物になり切って手に汗を握る(変性意識状態というらしい)とか、家から駅までの通い慣れた道を歩いているときに考えごとをしていて、たばこ屋の角を曲がった記憶がないとか、そういう「正常」の範囲に収まるものから、同一性(自分が他でもない自分として一つにまとまっているという確信)が損なわれる、つまり実佐子のような治療を必要とする病的な状態までを含む、幅広い概念だ。

トラウマ(心的外傷)として残るような、とても強い精神的な打撃を受けたとき、その間の記憶がまったく残らないことがある。それも解離の一つだ。逆に言えば、解離することによって心そのものが壊されることを防ぐ緊急避難的な仕組みなのだろう。再び杉本医師の言葉を借りる。
〈簡単に言いますと、夢見がちな状態、とでも言いますかね。……解離の本質は、この夢見がちという変性意識状態にあると思います。要するに、夢見がちじゃないと乗り切れない体験を、実佐子さんはこれまでにたくさんされてきたんだと思いますよ〉

杉本医師は、実佐子の夫・知彦にそう説明する。友美と絵里という別人格は、解離せざるを得ないような実佐子自身のつらい体験によって生み出された。それが、多重人格に対する精神医学的なアプローチに基づく解釈なのだ。一体、その「体験」とはどんなものだったのか。杉本医師は、実佐子を催眠状態に導くことによって、記憶の裏に潜り込んでしまった事柄を探し出そうとする。階段を一段ずつ下りていくイメージで、年齢をさかのぼって昔の記憶を蘇らせる「退行催眠」という方法である。

同時に、杉本医師は友美と絵里にもインタビューを重ねる。二人はかなり幼い頃から、すでに出現していたようだ。実佐子の記憶にない出来事を友美や絵里が覚えていることもある。実佐子、友美、絵里という三者の証言を互いにつき合わせながら(ウラを取りながら)、トラウマのありかを浮かび上がらせていくさまは、まさにジャーナリズム、ドキュメンタリーの手法であり、非常にスリリングである。

ところで、本の中身とは直接関係ないが、退行催眠を5歳、4歳、3歳……と進めておくと、ごくまれに0歳を通り越し、いわゆる「前世」の記憶が蘇ることがある。そこで患者が語ることが、たまさか誰も知らなかった過去の出来事と合致することがあり、魂が輪廻転生する証拠だと主張する人もいる。ユング心理学の立場からは、その不思議な符合を「普遍的無意識」との共鳴として読み解くわけだが、私はかつて一度、週刊誌の取材で日本におけるユング研究の第一人者、河合隼雄氏(当時は国際日本文化研究センター所長)に、「前世」の正体について、話を聞いたことがある。

おすすめ本書評・紹介書籍

阿修羅
玄侑宗久
講談社小説] 国内
2009.10  版型:B6
価格:1,785円(税込)
>>詳細を見る

新着情報

2013/08/16[新着書評]
『きことわ』朝吹真理子
評者:千三屋

2013/08/15[新着書評]
『テルマエ・ロマエⅥ』ヤマザキマリ/「1~3巻は大傑作、4~6巻は残念な出来」
評者:新藤純子

2013/06/19[新着書評]
『高円寺 古本酒場ものがたり』狩野俊
評者:千三屋

2013/06/18[新着書評]
連載「週末、たまにはビジネス書を」第11回
『くまモンの秘密 地方公務員集団が起こしたサプライズ』熊本県庁チームくまモン

評者:蔓葉信博

2013/05/12[新着書評]
『フィフティ・シェイズ・ダーカー(上・下)』ELジェイムズ
評者:日向郁

2013/04/04[新着書評]
『クラウド・アトラス』デイヴィッド・ミッチェル
評者:千三屋

2013/03/15[新着書評]
【連載】 蔓葉信博「週末、たまにはビジネス書を」
第10回 『投資家が「お金」よりも大切にしていること』藤野英人
評者:蔓葉信博

2013/02/18[新着書評]
『はぶらし』近藤史恵
評者:日向郁

2013/01/31[新着書評]
『知的唯仏論』宮崎哲弥・呉智英
評者:千三屋

2012/01/30[新着書評]
【連載】 蔓葉信博「週末、たまにはビジネス書を」
第9回 『思考の「型」を身につけよう』飯田泰之
評者:蔓葉信博

2013/01/25[新着書評]
『醤油鯛』沢田佳久
評者:杉江松恋

2013/01/18[新着書評]
『秋田寛のグラフィックデザイン』アキタ・デザイン・カン
評者:千三屋

2013/01/17[新着書評]
『空白を満たしなさい』平野啓一郎
評者:長坂陽子

2013/01/15[新着書評]
『箱根駅伝を歩く』泉麻人
評者:千三屋

2013/01/11[新着書評]
『世界が終わるわけではなく』ケイト・アトキンソン
評者:藤井勉

2012/12/21[新着書評]
【連載】 蔓葉信博「週末、たまにはビジネス書を」
第8回 『ネンドノカンド 脱力デザイン論』佐藤オオキ
評者:蔓葉信博

2012/12/19[新着書評]
『デザインの本の本』秋田寛
評者:千三屋

2012/12/12[新着書評]
「さしたる不満もなく私は家に帰った」第2回「岸本佐知子『なんらかの事情』と近所の創作系ラーメン屋」
評者:杉江松恋

2012/11/28[新着書評]
『ニール・ヤング自伝I』ニール・ヤング
評者:藤井勉

2012/11/22[新着書評]
『日本人はなぜ「黒ブチ丸メガネ」なのか』友利昴
評者:新藤純子

2012/11/21[新着書評]
『私にふさわしいホテル』柚木麻子
評者:長坂陽子

2012/11/19[新着書評]
【連載】 蔓葉信博「週末、たまにはビジネス書を」
第7回 『老舗を再生させた十三代がどうしても伝えたい 小さな会社の生きる道。』中川淳
評者:蔓葉信博

2012/11/15[新着書評]
『格差と序列の心理学 平等主義のパラドクス』池上知子
評者:新藤純子

2012/11/09[イベントレポ]
兼業古本屋のできるまで。とみさわさん、なにをやってんすか

2012/11/08[新着書評]
『機龍警察 暗黒市場』月村了衛
評者:大谷暁生

2012/11/02[新着書評]
『なしくずしの死』L-F・セリーヌ
評者:藤田祥平

2012/10/31[新着書評]
『エコー・メイカー』リチャード・パワーズ
評者:藤井勉

2012/10/30[新着書評]
『文体練習』レーモン・クノー
評者:藤田祥平

2012/10/25[新着書評]
『生きのびるための建築』石山修武
評者:千三屋

2012/10/24[新着書評]
『占領都市 TOKYO YEAR ZERO Ⅱ』デイヴィッド・ピース
評者:大谷暁生

2012/10/23[B.J.インタビュー]
「この翻訳家に聞きたい」第3回 藤井光さんに聞く「アメリカ文学の"音"って?」(後編)
インタビュアー:石井千湖

2012/10/22[B.J.インタビュー]
「この翻訳家に聞きたい」第3回 藤井光さんに聞く「アメリカ文学の"音"って?」(前編)
インタビュアー:石井千湖

2012/10/19[新着書評]
『最後の授業 ぼくの命があるうちに』ランディ・パウシュ、ジェフリー・ザスロー
評者:日向郁

2012/10/18[新着書評]
『イタリア人と日本人、どっちがバカ?』ファブリツィオ・グラッセッリ
評者:相川藍

2012/10/17[イベントレポ]
ミステリー酒場スペシャル ローレンス・ブロック酒場Part1

2012/10/16[イベントレポ]
ブックレビューLIVE:杉江VS米光のどっちが売れるか!?

2012/10/15[イベントレポ]
ミステリ酒場スペシャル ローレンス・ブロック酒場三連発 PART2~泥棒バーニー、殺し屋ケラー編&ブロックおもてなし対策会議~

2012/10/15[新着書評]
『犬とハモニカ』江國香織
評者:長坂陽子

2012/10/10[新着書評]
『Papa told me cocohana ver.1 丘は花でいっぱい』榛野なな恵
評者:千三屋

2012/10/08[イベントレポ]
“その日”が来てからでは遅すぎる! あなたの知らないお葬式のすべて?ボッタクリの秘密から納得のエコ葬儀プランまで

2012/10/04[新着書評]
【連載】 蔓葉信博「週末、たまにはビジネス書を」
第6回 『本気で売り上げを伸ばしたければ日経MJを読みなさい』竹内謙礼
評者:蔓葉信博

2012/10/03[新着書評]
『青い脂』ウラジーミル・ソローキン
評者:藤井勉

2012/10/02[イベントレポ]
松本尚久さん、落語の楽しみ方を教えてください!

2012/10/01[新着書評]
『ヴァンパイア』岩井俊二
評者:長坂陽子

2012/09/27[新着書評]
『A Life of William Inge: The Strains of Triumph』ラルフ・F・ヴォス
評者:新藤純子

2012/09/25[新着書評]
『鬼談百景』小野不由美
評者:挟名紅治

2012/09/24[新着書評]
『ここは退屈迎えに来て』山内マリコ
評者:長坂陽子

2012/09/20[新着書評]
『銀の匙』中勘助
評者:藤田祥平

2012/09/18[新着書評]
『最初の人間』アルベール・カミュ
評者:新藤純子

2012/09/14[新着書評]
『その日東京駅五時二十五分発』西川美和
評者:相川藍

2012/09/13[新着書評]
『無分別』オラシオ・カステジャーノス・モヤ
評者:藤井勉

2012/09/12[新着書評]
『鷲たちの盟約』(上下)アラン・グレン
評者:大谷暁生

2012/09/11[新着書評]
『ラブ・イズ・ア・ミックステープ』ロブ・シェフィールド
評者:日向郁

2012/09/10[新着書評]
『嵐のピクニック』本谷有希子
評者:長坂陽子

2012/09/07[新着書評]
『本当の経済の話をしよう』若田部昌澄、栗原裕一郎
評者:藤井勉

2012/09/06[新着書評]
【連載】 蔓葉信博「週末、たまにはビジネス書を」
第5回 『戦略人事のビジョン』八木洋介・金井壽宏
評者:蔓葉信博

2012/09/05[新着書評]
『ひらいて』綿矢りさ
評者:長坂陽子

2012/09/04[新着書評]
『失脚/巫女の死 デュレンマット傑作選』フリードリヒ・デュレンマット
評者:藤井勉

2012/09/03[新着書評]
『かくも水深き不在』竹本健治
評者:蔓葉信博

2012/09/01[新着書評]
『残穢』小野不由美
評者:挟名紅治

2012/08/31[新着書評]
『わたしが眠りにつく前に』SJ・ワトソン
評者:長坂陽子

2012/08/28[新着書評]
『芸術実行犯』Chim↑Pom(チン↑ポム)
評者:相川藍

2012/08/27[新着書評]
『ぼくは勉強ができない』山田詠美
評者:姉崎あきか

2012/08/16[新着書評]
『オカルト 現れるモノ、隠れるモノ、見たいモノ』森達也
評者:長坂陽子

2012/08/10[新着書評]
『セックスなんか興味ない』きづきあきら サトウナンキ
評者:大谷暁生

2012/08/08[新着書評]
『深い疵』ネレ・ノイハウス
評者:挟名紅治

2012/08/07[新着書評]
【連載】 蔓葉信博「週末、たまにはビジネス書を」
第4回 小林直樹『ソーシャルリスク』
評者:蔓葉信博

2012/08/03[新着書評]
『はまむぎ』レーモン・クノー
評者:藤井勉

2012/08/02[新着書評]
『清須会議』三谷幸喜
評者:千三屋

2012/07/31[新着書評]
『岡崎京子の仕事集』岡崎京子(著)増渕俊之(編)
評者:相川藍

2012/07/30[新着書評]
『月と雷』角田光代
評者:長坂陽子

2012/07/28[新着書評]
『ことばの食卓』武田百合子
評者:杉江松恋
2012/07/18[新着書評]
『図説 死因百科』マイケル・ラルゴ
評者:大谷暁生

2012/07/13[新着書評]
『最果てアーケード』
小川洋子
評者:長坂陽子

2012/07/12[新着書評]
『なぜ戒名を自分でつけてもいいのか』橋爪大三郎
評者:千三屋

2012/07/05[新着書評]
『少年は残酷な弓を射る』(上・下)
ライオネル・シュライヴァー
評者:長坂陽子

2012/07/04[新着書評]
『未解決事件 グリコ・森永事件~捜査員300人の証言』NHKスペシャル取材班
評者:挟名紅治

2012/07/02[新着書評]
『女が嘘をつくとき』リュドミラ・ウリツカヤ
評者:藤井勉

2012/06/29[新着書評]
連載 蔓葉信博「週末、たまにはビジネス書を」
第3回 三浦展『第四の消費』
蔓葉信博

2012/06/27[新着書評]
『シフォン・リボン・シフォン』近藤史恵
評者:相川藍

2012/06/26[新着書評]
『湿地』アーナルデュル・インドリダソン
大谷暁生

2012/06/22[新着書評]
『話虫干』小路幸也
長坂陽子

2012/06/20[新着書評]
『彼女の存在、その破片』野中柊
長坂陽子

2012/06/15[新着書評]
『新人警官の掟』フェイ・ケラーマン
日向郁

2012/06/14[新着書評]
『俳優と超人形』ゴードン・クレイグ
千三屋

2012/06/13[新着書評]
『毒婦。 木嶋佳苗100日裁判傍聴記』北原みのり
長坂陽子

2012/06/12[新着書評]
『WOMBS』白井弓子
大谷暁生

2012/06/11[新着書評]
『21世紀の世界文学30冊を読む』都甲幸治
藤井勉

2012/06/08[新着書評]
『愛について』白岩玄
評者:相川藍

2012/06/06[新着書評]
『柔らかな犀の角ー山崎努の読書日記』山崎努
挟名紅治

2012/06/04[新着書評]
『夜をぶっとばせ』井上荒野
長坂陽子

2012/06/01[新着書評]
「七夜物語』川上弘美
長坂陽子

2012/05/30[新着書評]
連載 蔓葉信博「週末、たまにはビジネス書を」
第2回 高畑哲平『Webマーケティング思考トレーニング』
蔓葉信博

2012/05/23[新着書評]
「ピントがボケる音 OUT OF FOCUS, OUT OF SOUND』安田兼一
藤井勉

2012/05/21[新着書評]
「飼い慣らすことのできない幻獣たち」
『幻獣辞典』ホルヘ・ルイス・ボルヘス
藤田祥平

2012/05/16[新着書評]
連載「長坂陽子 ロマンスの神様願いを叶えて第18回」
「その名は自己満足」
長坂陽子

2012/03/30[新着書評]
連載「長坂陽子 ロマンスの神様願いを叶えて第17回」
「そのプライドが邪魔をする」
長坂陽子

2012/02/28[新着書評]
連載「長坂陽子 ロマンスの神様願いを叶えて第16回」
「恋のリスクマネジメント」
長坂陽子

2012/02/15[新着書評]
連載「長坂陽子 ロマンスの神様願いを叶えて第15回」
「非華奢女子の生きる道」
長坂陽子

2012/02/02[新着書評]
連載「長坂陽子 ロマンスの神様願いを叶えて第14回」
「パターン破りの効用」
長坂陽子

2012/01/31[新着書評]
『最高に美しい住宅をつくる方法』彦根明
評者:相川藍

2012/01/20[新着書評]
『ペット・サウンズ』ジム・フジーリ
評者:藤井勉

2012/01/17[新着書評]
連載「長坂陽子 ロマンスの神様願いを叶えて第13回」
胸だけ見ててもモテ期はこない
長坂陽子

2012/01/11[新着書評]
連載「長坂陽子 ロマンスの神様願いを叶えて第12回」
「恋で美しくなる」は本当か
長坂陽子

2012/01/10[新着書評]
「旧式のプライバシー」
『大阪の宿』水上滝太郎
藤田祥平


Internet Explorerをご利用の場合はバージョン6以上でご覧ください。
お知らせイベントBook Japanについてプライバシーポリシーお問い合わせ
copyright © bookjapan.jp All Rights Reserved.