母音の川
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著
稲葉真弓
思潮社
[詩歌]
国内
2002.06 版型:A5 ISBN:9784783713012
価格:2,100円(税込)
わたしは自分の性器のなぜ濡れるかを知らない、と著者は詩集の第1行目を書きはじめる。性器からはじまって、乳房、眼、唇、指、脚、尻、そして陰毛を描きながら、官能が見事に官能を超える。稲葉真弓の作家の知性と詩人の感性が、女性の身体性の奥に潜む蠢きを大胆に剔抉する。
だれもいないのに鳴っている;
野原でわたしは幸福だった;
わたしも丘を持っている;
そっと階段をおりてみた;
目の歳月;
青い川を探しに行く;
だれにもあげない;
ゆるやかにはさんでみた;
蜜の上で眠っていた;
涼しい場所が欲しかった〔ほか〕
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