最初の人間
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著
アルベールカミュ
訳
大久保敏彦
新潮社
[小説]
海外
1996.08 版型:単行本 ISBN:4105015079
価格:2,447円(税込)
幼時に戦死し、記憶の片隅にすら残っていない父。だが父親であることにはかわりはない。母親の求めに応じて父親の過去の姿を探り、やがて思いは自分の少年時代へ…。―古典の祭壇に奉られることなく、いまなお鮮烈な輝きを失わないカミュ。自動車事故死のため執筆を中断せざるをえなかったカミュ最後の未発表長編―。壮大な自伝的作品として構想され、カミュの全体像を捉える鍵を握っている未完の長編小説。
おすすめ本書評

- カミュの遺作『最初の人間』を読む
アルベール・カミュの未完の遺作であり、自伝的小説である『最初の人間』が映画化され、絶版になっていた本書が10月に文庫で復刊されることになった。
カミュといえば『異邦人』や『ペスト』のような代表作はいまだに多くの読者をひきつけているが、未完の小説というよりは書きかけの草稿といった方が適切な『最初の人間』は日本ではあまり読む人もいなかったのか、絶版になっていたようだ。中学時代にカミュの愛読者であった私も恥ずかしながら本書は読んでおらず、今回は図書館のお世話になった。新潮文庫は絶版速度がことのほか速いので、文庫が出たらすぐ買うつもりである。
新藤純子
2012/09/18掲載
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