トップページでの紹介文で、そこに本当の「男」と「女」ありき、と書いたが、池部良、高倉健、岸恵子の3人なのだから、そこに「超」とか「スーパー」とかを加えないわけにはいかない。まさに昭和の華やかりし映画界を支えた真のトップスターであるこの3人は、ともにいくつかの著作をものしているということを、ご存知のみなさんも多いであろう。なかでも、情熱にあふれた仕事ぶりが活写され、そこから気骨に満ちた人間性が浮かび上がり、またその時代の息づかいも聞こえてくるかのような、熱く、それでいてさわやかなこの3冊…池部良『食い食い虫』、高倉健『あなたに褒められたくて』、岸恵子『30年の物語』がおすすめだ。単なるノスタルジーなどではない、自らの信じるところを突き進む、華にあふれた「男」であり「女」であるから、魅力的なのだ。レビュワーは濱田哲二さんである。