ジョナサン・レセムの新作『孤独の要塞』は800ページにもおよぶ半自伝的な物語。主人公ディランの傍らにはつねに音楽が流れている。パンク~ニューウェーブファン必読。
同様にボリューム満点なのが『ヒットこそすべて』。音楽ファンにはおなじみ、朝妻一郎がビジネスの裏表を縦横に語る。
『MUSICS』は、国内外で活躍するミュージシャン、大友良英による初の著作。ロック、ジャズ、歌謡曲……あらゆる音楽が等しく響きあう。
晩年の武満徹は、大友が手がけたサウンドトラック『青い凧』を絶賛したという。未知の才能に対する称賛を惜しまなかった武満らしいエピソード。武満は文章も素晴らしい。それが文庫というかたちで手軽に読めるようになった。
大友も武満も、共に〈うた〉への関心が高かった。『ちあきなおみ 喝采、甦る。』は、ちあき本人が沈黙を続ける中、関係者の証言を元に、不世出の歌手の肖像を描き出す。